(國谷)出石出身で、高校時代は自然科学部に入っていました。部活動では「ピタゴラスイッチ」に出てくるようなからくり装置を作っていました。あとは手作り石鹸を作ったりとか…同じようなことを何度も繰り返す粘り強さやモノ作りの楽しさを、部活動を通じて養っていたように思います。
時々都会に出た時に「便利だけど人が多くて、ここは自分の住むところではないな」と感じていたので、地元でいろいろな資格が取れる但馬技術大学校への進学を決めました。ここでは旋盤(3級)や機械設計技術者(3級)の資格を取りました。
(國谷)但馬技術大学校時代にインターンシップでここに来ました。少人数の会社ということもあって風通しのいい雰囲気で、歳の近い先輩も多く居心地がよくて、インターンシップが終わった後もアルバイトをしていました。卒業後そのまま就職することになりました。
ただ、就職してみたら、アルバイト時代とは責任が全く違うので、仕事に慣れるまで半年から1年くらいは大変でした。そんなとき歳の近い先輩にアドバイスをいただきました。仕事のことだけでなく、プライベートの相談も聞いてもらいました。今は後輩もできたので、自分もそんな先輩になりたいと思っています。
(國谷)製品の検査です。うちの工場で作っている、電車や自動車、工作機械などに使われる様々な部品を、図面と見比べて正しくできているかチェックしています。
品質管理部は部長と2人だけなのですが、部長は社長が兼務されているので、実質私一人です。ただチェックするだけが仕事ではなく、どうすれば品質が上がるか、もっと効率よくするにはどうすればいいか、先輩方と意見を出し合っています。意見が合わないときもありますが(笑)。自分達で考えたことが形になった時にはとても達成感を感じます。
(國谷)今の品質管理という仕事はとても大切な役目ではあるのですが、自分で何かを作る仕事ではないので、何かもっとできることがないか考えています。
最近では製品をまるごとスキャンして3Dで検査できる最新の測定器があるので、それを活用して検査能力を向上させたり、その測定器を使って古い部品で図面が残っていないものを復元するなど、今はおこなっていない新しいことに挑戦していきたいと思っています。
最近はコロナ禍で少し参加しにくいのですが、外部のセミナーや他社の見学にも積極的に行かせてもらっています。そういったフットワークの軽さは、この会社に入って良かったなと思うことです。今はまだまだ知らないことばかりですが、いろいろな場に行って新しいことを吸収して自分を成長させていきたいと思っています。
國谷さんを一言でいうと、真面目でピュアです。入社して1年で新しい部署を一人で任されて、しかも品質管理という重要なポジションで大変だったと思うのですが、悩みながらルールから作り上げていきました。コミュニケーション能力も高く、今となっては「國谷が言うならそうしてみようか」と従業員みんなが納得するまでに自分のポジションを確立してくれました。さらに、今後の業務をどう改善するかを現場と一緒に考えて資料を作ってくれたり、本当に頼もしいです。
「上司からの一言」という項目は取材対象の方を褒めるコメントになるのが普通ではあるのですが、ここまでの絶賛コメントはあまりないと思います。ただ、國谷さんの真面目な受け答えを聞いていると、そのコメントに嘘や誇張はないと納得でした。
当社は但馬で50年以上の歴史をもつ、精密部品を作る会社です。
社員の平均年齢は32歳で業界でもトップクラスに若いです。50年以上培った技術と信頼で、年々成長を続けています。機械設備の高度化・自動化・IT化など、時代のニーズに対応し、新しいことにチャレンジする会社です。現在では複合加工機による完成品一貫生産を柱に、技術と安心を取引先に認められています。さらに、多関節ロボットを導入するなど積極的な研究開発を進めており、部署や年齢関係なくみんなで意見を出し合い、全社一丸となって全製品の自動生産に向けて取り組んでいます。
会社の成長と社員の成長はイコールです。全社員が、常に考え、お客さまに評価していただける技術の習得と信頼していただける人間的成長を求めます。お互いに支え合い成長する「共育」の企業風土を大切にします。