但馬で働く人たちWORKER

製造業

冨士発條株式会社ふじはつじょうかぶしきがいしゃ


先輩社員に聞いてみた

営業部 開発営業課
吉田俊 (左)
(2022年入社=姫路市出身~関西学院大学卒)
営業部 開発営業課
中村孝一 (中)
(2021年入社=東京都出身~日本大学卒)
総務部 総務人事課
松田真琴 (右)
(2018年入社=和田山高校卒)

松田さんの学生時代は?

(松田)豊岡市日高町から和田山高校に進みました。総合学科である程度自分でカリキュラムを組めたので、ビジネスや経営、情報系の勉強をして、情報処理や簿記、マーケティングなどの資格を取りました。
高校に入る時から卒業後は地元で就職しようと思っていました。将来のありたい自分の姿をイメージした時に、進学するより早く社会に出たいという思いがありましたし、もしもっと勉強したくなったら社会人になった後でもできるんじゃないかなと思ったんです。

中村さんは東京から、なぜ但馬へ?

(中村)出身は東京の墨田区です。高校までは卓球をやっていて、千葉県大会で優勝したこともあります。日大の経済学部に進み、経済学とともに英語の勉強にも力を入れていました。
就職するにあたっては「高い技術を持った企業に入りたい」という思いで企業を選び、それで見つけたのが冨士発條でした。最終試験で来るまで但馬のことは全く知りませんでしたが、子どものころから自然が好きなので、自然豊かな環境を見てちょっと嬉しかったです。人生初の一人暮らしでもあり、不安よりむしろワクワクした気持ちで但馬にやってきました。

吉田さんはどうしてこの会社へ?

(吉田)姫路出身で、高校までマーチングバンドでドラムを担当していました。大学は理工学部で、電磁気や太陽光発電など電気に関する研究をしていました。冨士発條は車載用バッテリーの分野でトップクラスの技術を持っている会社なので、自然にこの会社を志望しました。以前からハチ高原のスキー場によく行っていて、和田山はその通り道なので、どんな町かはある程度分かっていましたし、特に不安はなかったです。

松田さんの今のお仕事は?

(松田)給与や賞与の計算や年末調整、社会保険関係の書類作成など、人事関係の事務作業全般です。仕事の多くは直接お金が絡む作業なので、神経を使います。
私は社労士さんのような専門家ではないですが、社員の方からいろいろ聞かれることは多いので「プロに近い人でいないといけない」という意識を持って、自分で本を買って労働法規などを勉強しています。

中村さんの今のお仕事は?

(中村)一言でいうと、顧客であるメーカーさんと社内の開発部門をつなぐ役割です。単に製品の発注を受けてくるだけでなく、まだ細かいことが決まっていない新製品について、どういう機能が求められているかを顧客様から聞き取り、それをどうやったら実現できるかを社内で調整し、結果お客様に満足していただけることをめざしています。

お客様の要望と社内の事情とが一致すればいいのですが、必ずしもそうならない時もあります。特に最近は原材料費が高騰しているので、厳しい局面が増えています。先日もそんな板挟みの状況があったのですが、自分で何とか落としどころを探って、お客様への説明と社内調整を粘り強く重ねたことで双方に納得してもらえる形で決着しました。その時にはとても大きな達成感を感じましたね。

吉田さんの今のお仕事は?

(吉田)基本的には中村さんと同じです。短い納期で試作品を作ってほしいといったリクエストを受けることもありますが、技術部門と相談してなんとかお客さんに納得していただける形を作るべくがんばっています。
私はもともと研究職志望でこの会社に入ったので、技術的な知識を少しでも営業の仕事に役立てられればと思っています。もっとも、例えばプレスの金型のように、専門外で全く未知の分野もたくさんあります。今はいろんな人に教えてもらって、勉強しているところです。

皆さん、この会社に入ってよかったと思うことは?

(松田)地元ではこれほど大きな仕事をしている企業はあまりないのではないかと思いますが、企業規模としては大企業ではなく、それほど細かく業務が分かれているわけではないので、いろいろな経験をすることができて学べることも多いです。知識を得るのは大変だけど、いろいろなチャレンジができる環境だとプラスに捉えています。
休日には着物の着付けを勉強していて、ようやく一人で着られるようになりました。歴史が好きなので、コロナが落ち着いたら着物で京都を旅したいです。

(中村)人との出会いですね。特に、今の上司に出会えたことです。とても論理的に物事を説明できる方で、私に物事の見方や考え方を教えてくれました。
自然豊かな環境での暮らしも気に入っています。写真を撮るのが趣味なので、休日に家の周りの風景を撮影しています。ただ、入社直後から1年間名古屋勤務だったんで、雪を経験してないんですよ。そこだけちょっと不安です(笑)

(吉田)いい環境で仕事させてもらっていると感じています。年上の方からも気やすく話かけていただいていますし、一緒にゴルフに連れて行ってもらうこともあります。いろんな人と出会って、本当によくしてもらっています。
休日はアウトドア派ですね。実家のある姫路まではクルマで1時間ほどなので、姫路の友達と一緒にキャンプに行ったりもしています。

上司から一言

3人とも本当に優秀で、期待しています。
松田さんは高校の成績も優秀だったと聞いていますが、実際入社1年くらいですでに社内の規定をほぼ把握していて「分からないことは松田さんに聞け」と言われていたほどでした。学歴関係なく、上に立っていただきたい人財です。
中村さんは入社してすぐ名古屋勤務になりましたが、実は異例の配属なんです。名古屋には大手の取引先さんもあって、新規の商品開発が生まれることも多い、とても重要な営業拠点なんですが、現場から「ぜひ欲しい」と強い要望がありました。大きな期待の表れです。
吉田さんはもともとエンジニア志望で入社されたのですが、入社後の研修でコミュニケーション能力やバランス感覚、リーダーシップが突出していて、強いオファーを受けての営業配属となりました。営業と技術の架け橋にとどまらず、ゆくゆくはわが社の次の主力製品を生み出す立場に立ってもらいたいと期待しています。

後輩たちへのメッセージ

(松田)生まれも育ちも但馬で、地元が大好きです。ただ但馬は人口も減り続けていて、地元に就職する人も減っています。もっと多くの人に地元に帰って働きたいと思ってもらえるよう、私も仕事を通じてがんばって但馬を盛り上げたいです。一人でも多くの人に「但馬に帰ってきたい」と思ってもらえたら嬉しいです。
(中村)何が自分にとって大切なのかによって、物の見方は変わります。将来自分がどんな風になりたいかを考えて、そのために大切なことや必要なことは何か、そのために今自分は何をするべきかを考えて、行動してもらえればと思います。
(吉田)自分はもともと技術で入社して、今は営業の仕事をしていますが、「向いていない」と思うことはないです。会社に入ってからも、研修や仕事の経験を通じて自分の可能性は広がるものだと思います。なので、自分から選択肢を狭めることなく、いろんなことに挑戦してみて下さい。

取材を終えて

最新のハイブリッドカーや電気自動車にも使われている、冨士発條の部品。そんな最先端技術を支えている会社であることを表すかのように、3人の若手社員のしっかりした受け答えと高い意識は際立っていました。


冨士発條株式会社

「ものづくりを通じて“うれしさ”をカタチに」

1959年にバネを作る工場として創業した冨士発條はその技術力を生かして、時代の変化とともに技術革新・事業拡大を繰り返してきました。現在は精密プレス加工、深絞り加工、精密スプリングの設計並びに製造、精密金型、冶具の設計・製作、自動組立機の設計・製作、充電式電池部品・組立加工、ニッケルメッキ処理など多岐にわたる事業領域において、お客様に最高のソリューション、すなわち”うれしさ”をご提供しています。
現在の主力製品となっているのは車載用電池部品事業ですが、次の時代の主力商品を生み出すべく「イノベーション室」を立ち上げました。常に「チャレンジしたい」という想いを大切にするのが冨士発條の社風です。
同時に、「キャリアコンサルティング制度」を設け、従業員と上司が年4回キャリアについて面談しています。その場では、本人の希望を聞くだけでなく会社として何を期待しているかも伝えることで、それぞれの「自己実現」を全力でサポートし、共に成長発展を目指しています。