但馬で働く人たちWORKER

製造業

株式会社東豊精工かぶしきがいしゃとうほうせいこう


先輩社員に聞いてみた

製造課
坪内大輔 (左)
(2020年入社=出石高校卒)
製造課
小﨑岳杜 (中)
(2021年入社=豊岡総合高校卒)
製造課
角田紗彩 (右)
(2022年入社=豊岡総合高校卒)

坪内さんはどんな高校生でしたか?

(坪内)バドミントン部で部活に打ち込んでいました。先輩たちがけっこう強かったので、追いつこうとがんばって、自分も県大会までは行くことができました。そんな中で上下関係の厳しさや、一生懸命頑張ることの大切さを学んだと思います。
もともと都会があまり得意ではないので、高校を出たら地元で就職すると決めていました。この会社を見学したとき、働いている皆さんが優しく声をかけてくれて、自分もここで働きたいと思いました。

小﨑さんの高校生時代は?

(小﨑)高校では電機応用工学科で、部活はバレー部に入っていました。卒業後は進学する気も都会に出る気もなく、最初から地元で就職するつもりでした。東豊精工には中学生の時に「トライやるウィーク」で来たことがあって、その時にいい雰囲気を感じていたので、何社かあった候補の中からこの会社を選びました。

角田さんの高校生時代は?

(角田)私も高校の時はバレー部に入っていました。卒業後は、当初は介護系の就職を考えていて、仕事をしながら資格をとれたらいいなと思っていたのですが、そういったサポートをしてくれる企業は都会にしかなかったんです。都会に出るか、地元で別の道を選ぶか、かなり迷ったのですが、家族や友達がいる地元を選びました。自分の性格的に、黙々と地道に作業をする仕事が自分に向いていると思ったので、この会社への就職を決めました。

みなさんのお仕事は?

(坪内)私は、圧縮コイルばねを作っています。針金を曲げてバネの形を作り、それを熱処理して形が戻らなくなるまでが一連の作業です。入社以来4年間、基本的には同じ作業ですが、担当する機械の台数はどんどん増えてきています。

(小﨑)私が作っているのはトーションばね(ねじりコイルばね)です。坪内さんと同じように、成形から熱処理までを行っています。作業自体は機械でするのですが、トーションばねはいろいろな形があるので、一つ一つ考えながら機械を設定して作らないといけません。

(角田)私が担当しているのは、二次加工という作業です。加工が終わったばねの端を曲げたり切断したりして、最終的に発注された形にする作業です。また、同時に不良品の選別も行っています。1個1個手作業になるので、けっこう大変です。この作業は内職さんにお願いすることもあるので、その発注も私の仕事になります。

仕事の中で、達成感を感じる瞬間は?

(坪内)今は担当している機械が多いので、発注が多い時には納期ギリギリになることが多いです。そんな時は朝から気合を入れて臨むのですが、最初の設定がうまくいって、不良品率が1%くらいだったら「ヨッシャッ!」と思いますね。機械が作ると全く同じものができると思われがちですが、実は材料の品質のわずかなバラつきやその時のコンディションによって、けっこう仕上がりが変わってくるので、微妙な設定の調節が必要なんです。

(小﨑)トーションばねにはいろいろな形のものがあるので、納期が迫っているときに複雑な形のものを作る時は、やっぱり焦ります。そんな難しい時にちゃんとセットできてばねが完成した時は、やりがいを感じますね。

(角田)出荷の納期は月末が多いので、毎月下旬は大忙しになります。最近は内職をしてくれる方も減ってきているので、更に忙しさが増しています。時には仕事が終わらなくて、家に持って帰って作業をすることもあったりします。もちろんサービス残業じゃなくて、内職作業という扱いになるんですが…そんなこんなで、すべての出荷を納期までに終わらせることができたときは、達成感を感じます。

上司から一言

坪内さんは若者らしくハキハキしていて、話していても楽しいです。仕事ぶりは正確で、相談や報告も的確に行っています。3年目としては高い水準の技術を持っていますので、今後はもっと難しいばねにも挑戦してもらおうと思っていますし、それを乗り越えてくれると期待しています。
小﨑さんの仕事は複雑なばねを作る作業なので、どう機械を動かしたらいいか、一手二手先を読む感覚が必要なのですが、いいセンスをしていると思います。今後さらに技術や知識を蓄えて、さらにお客様の要望に応えられる人材になってほしいです。
角田さんは真面目な性格で、自分の仕事に責任感を持って最後まで取り組んでくれています。いろいろな加工が必要な大変な仕事ですが、慣れないなりに理解しようと一生懸命取り組んでいて、大きな戦力になってくれています。

後輩たちへのメッセージ

(坪内)高校時代、アルバイトをしておくといいと思います。部活ももちろん大事だし楽しかったけど、それはあくまで学校の中だけで完結する世界なので、社会と接する経験としてアルバイトは役立つと思います。私は結婚式や蕎麦屋でのアルバイト体験が、会社に入ってから役に立ったと感じています。
(小﨑)高校時代、早目に勉強しておいた方がいいと思います。進路のことをあまり考えずにいると、3年生になったころに焦りだすことになるんですよ。進みたい道が決まっているのであれば、早め早めに準備を進めておくのに越したことはないです。
(角田)高校時代にはまだ「自分のしたいことが見つからない」という人もいると思いますが、そんな時は自分にできること、得意なことを考えてみるのもいいと思います。「これならできる」というものを見つけて、まずはその道に進んでみるというのもいいんじゃないでしょうか。

取材を終えて

機械でばねを作るのだから、一度セットしたら全く同じものが出来上がるのだと思っていたので、「99%合格品だったら上出来」というお話には正直驚き、モノ造りの世界の難しさを感じました。坪内さんには2年前の新入社員時代にも同じようにお話を伺ったのですが、当時と比べるとずいぶんしっかりと自分の言葉で答えてくれていて、大きな成長の跡が見られました。


株式会社東豊精工

「信頼の技術で世界に貢献-Reliable Technology Is Our Concept!」

(株)東豊精工は、1957(昭和32)年に豊岡市で創業し、『精密ばね』の専門メーカーとして、光学機器、情報通信機器、産業機器、自動車、家電製品、電子部品等の各業界のお客様から、その技術力と品質は高い評価をいただいてまいりました。現在では、IT関連や医療分野向けの『マイクロスプリング』を始めとする特殊スプリングの開発、合理化・省力化機械の設計製作、自社オリジナルのスプリングマシンの開発、周辺機器の商品開発と、多角的に展開を図っております。
私どもは、今後も創業の精神である「誠実、創造力、不言実行」を受け継ぎながら、精密ばねを中核とするモノづくりを通して地域社会、国家そして世界の発展に貢献していきたいと考えております。製造業ですが、女性の比率が高く男女問わず活躍できる会社です。職場の雰囲気もよく、福利厚生もしっかりとしていて働きやすい環境づくりに努めています。ばねの知識がなくても大丈夫、丁寧な教育を行います。