但馬で働く人たちWORKER

製造業

和田山精機株式会社わだやませいきかぶしきがいしゃ


先輩社員に聞いてみた

製造部 放電係
藤井海音
(2021年入社=和田山高校~但馬技術大学校卒)

藤井さんの学生生活は?

(藤井)サッカー部に所属していましたが、すごく一生懸命やっていたというわけでは…(笑)。むしろ、子どもの頃からモノ作りが好きでした。小学校の頃は工作で賞をもらったこともあります。
会社見学で和田山精機を見て、ここで働きたいと思いました。旋盤を使って物を作る仕事をやってみたいと思ったんです。ただ、親からもっといろいろ見た方がいいといわれたので、いったん豊岡市の但馬技術大学校に進んで機械工学を勉強しました。2年経って、結局やはり和田山精機に入りたくて、念願かなって入社しました。

藤井さんの今のお仕事は?

(藤井)自動車部品を作るための金型を、放電加工機という機械を使って作っています。金型になる鋼鉄の中にはとても硬くて刃物では削れないものもあります。それを加工するのがこの放電加工機で、銅で作った型を鋼鉄に押し当てて、そこに高圧の電気を流すと、鉄が徐々に銅の型の形に合わせて溶けていくんです。かなり時間のかかる作業で、夕方にセットしておいて翌朝にできているとか、長いものだと丸2日かけて削る場合もあります。

機械にセットするときには100分の1ミリ以下の誤差が要求される細かい作業です。もし失敗してしまうと丸2日が無駄になってしまいますが、この工程は仕上げの一つ前の段階の作業なので、自分の2日間だけではなくてそこまでその部品を作ってきた何人もの人の作業も無駄になってしまうことになります。一人で好きなものを作っているのとは違って、責任感を持って物作りに向き合うことの重みを感じています。

もともとは旋盤を使ったモノ作りがしたくてこの会社に入ったんですが、今の仕事では残念ながら旋盤を使うことはあまりありません。時々、放電加工機の電極を加工するのに旋盤を使うので、それはやっぱり楽しいです(笑)

会社の雰囲気はどうですか?

(藤井)実は社内に、親の知り合いとか親戚とか、けっこういるんです。そういう人たちに食事に連れて行ってもらうことも時々あります。学生時代は人と話すのがあまり得意ではなく、特に年上の人と話すのは苦手だったんですが、すっかり克服できました。休みの日に会社の人ともオンラインゲームをして遊んだりしているくらいで、とても人間関係はいいですね。

上司から一言

入社から半年間は研修で社内のいろいろな部署を経験するのですが、藤井さんはどの部署でも一生懸命でした。この会社では比較的一つの部署にずっといる人が多いのですが、藤井さんはいろんな部署で活躍してくれそうで楽しみです。特に、彼の旋盤への思いを聞くと、いつかは旋盤の仕事もしてほしいですね。

後輩たちへのメッセージ

高校時代に勉強すること、例えば数学の三角関数とか、将来使うことはないと思っていたけど、いますごく使っています。必要に迫られて、勉強し直しです。こんな風に人生どんなことがあるか分からないので、どんなこともちゃんと勉強しておいた方がいいと思います。勉強して損することはないですから。
あと、学生のうちはあまり使わないですが、敬語は大切です。社会人になって、自分がいかに敬語が使えないかを思い知りました…

取材を終えて

「旋盤で物を作りたくて、和田山精機に入ると決めていた」と、ここまではっきりと志望動機を語る人はあまりいないと思います。念願かなって入社したのになぜか旋盤を使う部署ではなかった藤井さんですが、そのモノ作りへの一途な思いはどんな部署でも実を結ぶことと思います。


和田山精機株式会社

「品質こそ我等が命」

和田山精機株式会社は、昭和47年に鍛造用金型の製造を基幹事業として創業しました。以来、自動車部品の設計開発、高度・高品位の精密金型の開発・製造を追求するとともに常にコスト・納期・品質のすべてにおいての改善活動にも積極的に取り組んでまいりました。今後も、不可能に挑戦し、お客様のニーズにお応えできる企業を目指します。
当社の採用選考は『人物重視』です。学歴、資格、スキルだけで判断していません。入社後、同僚となった時に信頼できる人か、皆さんの可能性を感じて判断しています。責任感を持って最後までやり遂げる意思の強い人を待っています。
また、長年地元に根ざした企業であり、地元・朝来市出身の社員が多く、アットホームな社風です。離職率の低さもわが社の特徴です。2018年には「従業員用トレーニングジム」も完成しました。従業員が満足してトレーニングできるように、設備にこだわっています。